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十二月一日前夜

冬のするどい空気の中で、星を見ている。すぐにオリオン座を見つける。どうにかして一句詠みたいような、そんなことをするのは無粋のような、曖昧な心境で相変わらず星を見る。何か鳥の囀りが聴こえる。奥の方から街…

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きれいごと

空は広くて雲は形を変えながら歩行する。待たずともカレンダーをめくるように季節は変わってく。秒針が止まっても日は昇るし陽は落ちる。可憐な花は微かにする香りが優しい。線香から漂う煙はいつも優しい。掴めたら…

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無題

金髪碧眼の主人公がノーヘルで華麗に戦場駆け抜ける姿もノイズだと思うんだけど、職場では手袋外せよーみたいなことを言われた直後に、豊満な胸の谷間露わにした上司っぽい女が体をくねらせながら現れたからおかしい…

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悟られないように

真冬も一つ手招きをしたら近付いてくれそうな程に距離を詰めたような風が窓硝子と縁の隙間から少しばかり入り込んで、夏場に横転して作(創)った傷痕が癒えないままの肌の表面に浮かぶ粉吹きで雪だるまををつくろう…

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夢寐

午前11時。 カーテンの隙間からちらつく配電線にピントを合わせながら、ゆっくりと身体を起こす。背筋に肌寒い空気が流れたが身震いはしなかった。もう少し早く起きていれば、幸福を齎す陽光が溢れる部屋で二度寝…