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悟られないように

真冬も一つ手招きをしたら近付いてくれそうな程に距離を詰めたような風が窓硝子と縁の隙間から少しばかり入り込んで、夏場に横転して作(創)った傷痕が癒えないままの肌の表面に浮かぶ粉吹きで雪だるまををつくろう…

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寝言

私は「全部」が良かったの。 って言うからあげた、全部。 自分が人よりも何倍、何百倍劣っているから「全部」渡してやったらこちらの取り分はゼロ、むしろマイナス、だけどまあ良かった。腐れ縁ながらも信頼はして…

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出会い「形」について

あ、〇〇ちゃん?     はい、そうです     じゃあ、行こっか     出会い系アプリを初めて使ったのは15,6歳頃の夏だったと記憶して…

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RAIN

生まれが梅雨の真っ只中だもんで、少しこの時節は肩身が狭い。だって皆んな、「雨降りなんかクソ食らえッ」と言って、頭や、心を痛めたりするじゃんか。不安感と寂寥の連続を責任転嫁して。黙って長風呂にでも浸って…

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痙攣

目蓋がピクッッッと痙攣するもんだから、抉り出して湯掻いて召した。タバスコかけると、辛くて(つら-くて)おいしい。水で溶いた片栗粉を塗して、油で揚げた。高温に熱した揚げ鍋の中で、目は踊りながらよく泣いた…