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新屋敷 1

1. たとえば、「忘れられない友人の話をしてください」と、暇な誰かに聞かれたとする。おれはそういう時のためにとっておきをいつでも出せるように用意してあって、それはこんな風に始まる。 22歳の7月だった…

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初夏短歌集

  今日もまた洗顔料を買い忘れ 顔洗うなと神のお告げか   包むのは得意技です任せとけ 苦しみさえも餃子と共に   スンドゥブを食べ紅の君の頬 あさりの殻は僕が受けよう …