目蓋がピクッッッと痙攣するもんだから、抉り出して湯掻いて召した。タバスコかけると、辛くて(つら-くて)おいしい。水で溶いた片栗粉を塗して、油で揚げた。高温に熱した揚げ鍋の中で、目は踊りながらよく泣いた。半熟卵みたくして、箸で割って切った。黒いところ、俺は好きだよ。魚でも何でも、よく食べるし。中心窩、少し火の通りが悪くて、ラップに包んで再加熱した。噛まずとも食道へ滑り落ちてとろける旨さ!写真に撮るよりも脳髄で感じて欲しい、波打つ刺激と欲求の解放を。噛み切れない侘しさを押し潰して、今日に至るまで映してきた風景を胃で浄化する。皿に零れた滓一つ残らずねぶって、食器棚へ片したら運動がてら走ろう。あそこの火葬場まで。
#翳目