#

爆破しよう、火薬なら担いできた

大蒜ベーコンブナシメジを菜箸ではなく普通の箸でジャーッと炒めて塩胡椒振ったところへ茹でたパスタを投入したものをフォークでもなくその普通の箸のままずるずる啜ってビールをぐびぐび飲んでいる、白目で。パンツ以外の衣類を帰宅してすぐに全て脱いで洗濯機へ放り込んだ。でもお皿は使う。あらゆる尊厳を失ってもフライパンから直食いだけはしない。白くて大きな深皿だ。お皿は俺がまだ人間であることの証明であり、皿に載せた接頭語〈お〉は俺の最後の品性である。過日、しんどい。何が。労働が。明確な殺意をたぷたぷ湛えて労働にあたっている。先方には予めはっきりと伝えてある、絶対にぶち殺す、と。今日はひとつの山を越えて、ぎりぎり明るいうちに退勤してこうして自炊を為しモノ書く余裕をも見せているわけだが、もうすでに前方に次の山を見ながら裾野を歩いている。ふつふつと新しい殺意が湧いてくる。生きるために必要な殺意ってものがあるんだよ。いざとなれば皿だって投げてやる。