炬燵で暖を取りながら、アイスを黙々と食べる。そんな時間が必要だと思った。冷たくて甘い、そして固すぎる、あずきバー。大好物。箱アイスも2日で空になる。そんな時間が必要だ。
人肌恋しいような寂しさは欠けらも無いのに、最後の週が来ると寂しくなる。何せ、今年の3月はもう二度訪れないので。毎月、そんな感じ。生き続けていると、季節は巡る。新しい春。知らない春。突然、魔物がやってくるように。繊細な生き物。特別な春。気付いた時には桜が咲いていて、びっしりと、薄いピンク色に染まる公園もあった。次、雨が降ったら、かなり散ってしまいそうなほどに満開で、見上げるのが楽しい。車に轢かれた花弁や、箒で隅に寄せられた花弁を見る頃には、冬の寒さも忘れる。来年も桜が咲くことを当然のように思ってる。全然そんなことないのに。
誰かが命名した花の名前を、花言葉を、私は大切にしたい。大切にしよう。春の音楽を聴きながら桜の写真を撮った。命が繋がる。春は永遠に、特別。