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Em11

品を作り、春を鬻ぐ、彼女の夢はこの国の冬を買い占めること。くたびれた体を湿ったベッドに横たえて、知らない男の腕の中で、卵の殻のように壊れやすい眠りを眠る。子どもたちは農夫のふしくれだった手を逃れ、市場…

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もしもお酒が飲めたなら

下戸だ。 力いっぱい下戸だ。 もし、あなた。ほろよい一缶で酩酊を体験できるのならば、それはむしろ安上がりではないですか。幸福ではないですか。と問う人があるかもしれない。否。下戸はつらい。下戸はつらいん…

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ある詩

一日十時間働いている / 一日一本たばこを吸う / 一日千秋とは程遠く / 一日二食の飯を食らう 。晴れた日の土曜日は起き抜けに発泡酒のプルタブをあけて、肌寒い雨の日はレンジ加熱した牛乳に口付ける。会…

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フランシー、ねえ卵子

女の身体は玉子みたいだ、とか言うけど。女が玉子なら男は何?大層立派な鶏冠乗せた、殿様気取りのニワトリにでもなったつもりなわけ。うんそうだよ、じゃないさ、所詮は只の有精卵だろ、だって生涯同じ穴の狢。 小…

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冬が好きである。温かい食べ物が美味しいから、コートやマフラーを身につけることができるから、清潔な感じがするから、蟹がうまいから、夜空が綺麗だから、クリスマスがあるから、年を越すから、好きな人とくっつい…