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きれいごと

空は広く、雲は形を変えながら歩行する。待たずとも、カレンダーをめくるように季節は移りゆく。やがて散った。秒針が止まっても日は昇るし、陽は落ちていく。可憐な花は、微かにする香りがとても優しい。線香から漂…

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無題

金髪碧眼の主人公がノーヘルで華麗に戦場駆け抜ける姿もノイズだと思うんだけど、職場では手袋外せよーみたいなことを言われた直後に、豊満な胸の谷間露わにした上司っぽい女が体をくねらせながら現れたからおかしい…

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悟られないように

真冬も一つ手招きをしたら近付いてくれそうな程に距離を詰めたような風が窓硝子と縁の隙間から少しばかり入り込んで、夏場に横転して作(創)った傷痕が癒えないままの肌の表面に浮かぶ粉吹きで雪だるまををつくろう…

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夢寐

午前11時。 カーテンの隙間からちらつく配電線にピントを合わせながら、ゆっくりと身体を起こす。背筋に肌寒い空気が流れたが身震いはしなかった。もう少し早く起きていれば、幸福を齎す陽光が溢れる部屋で二度寝…

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ザ・お金丸

管理人の身でありながら、長らく沈黙を破れなかったことをかたじけなく思う。留守にしていたということでなんとか言い訳の体裁を取りたい。取らせて欲しい。世に必要なのは”まことのこと”…