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初夏短歌集

 

今日もまた洗顔料を買い忘れ 顔洗うなと神のお告げか

 

包むのは得意技です任せとけ 苦しみさえも餃子と共に

 

スンドゥブを食べ紅の君の頬 あさりの殻は僕が受けよう

 

我が姫が食べぬともう少しピーマンを微塵切りとす愛の包丁

 

絶望と仲良くやろうどうせなら 君の悲しみ神は知らない

 

ヘアオイル塗って艶やかその御髪 誰が為光る星に願いを

 

発芽せぬ種に愛しさ感じられ それはどうやら我のようだと

 

「いつの日か王子様が」と君は言う 自身が悪の女王と知らず

 

ついてくる我が夜散歩月明かり バニラアイスは手に入る月

 

化粧する君を盗み見鏡越し 血の色のくちびるが愛しい

 

母の日にカーネーションを買う俺の感謝どれだけ伝わるだろう

 

「ダイエット、今日から開始」と言ってたな なぜ手にプリンそしてスプーン

 

電話切りのちの静寂これいかに うっかり寂しくなる前に寝る

 

虎の威を狩る狐にはならぬよう虎の差し歯をつけてもらった

 

憂鬱な梅雨の始まり曇り空 紫陽花が咲く手元に青空

 

パエリアを上手く作れた試しなし まずフラメンコの習得からか

 

夏祭り 打ち上げ花火紅生姜 赤が綺麗な屋台の焼きそば

 

復讐のペペロンチーノ 何食わぬ顔でにんにくどっさり入れるね

 

夏きたらいいことしよう 竹割って水とそうめん流して食べるの

 

週末が恋しいと泣く月曜日 気圧につぶれ朝日に焼かれる

 

しなやかで薄く柔らかヨガマット そういふものにわたしはなりたい

 

鮭 いくら

二階角部屋南向き

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