べんべんべん

べーんべべんべんべんべんべんべーん。
暇を持て余した不良どもの音。受け容れられない悔しさを、社会に馴染めぬ魂を、改造したマフラーから街にばら撒く。べんべんべん。信号待ちでちょっと厭世。道ゆく人々眉間に皺。
いつまでやってんだって聞いてるこうするしかないんだって答えるだからいつまでやってんだって聞いてる気が済むまでだって答える好きにすればいいって言ってる好きにするさって答えるそれからまた街に繰り出す。
そうして育った大人たちの、粘つく喀痰が街のあちこちに張り付いている。酔客の腐った吐息がビルの壁面に染み付いて、中では万札があちこち飛び交い、小銭になって戻ってくる。記憶も朧に昼過ぎ起きて、またぞろ白昼べんべんべんべん。そんな生活が、この街にいくつも溢れている。それを僕は知っている。いつまでやってんだって聞いてる。おれで足りるなら誰かを赦したい。おれで足りるなら誰かを赦したいって言ってる。そんなのには騙されないぜと牙を剥いてる。抱擁する。突き返される。街に出る。
べーんべべんべんべんべんべんべーん。
べーんべべんべんべんべんべんべーん。